学校規模ポジティブ行動支援(SWPBS)
Aタイプ 統合目標へのプログラム群
教育・育成への枠組(フレーム)系
教育の目標(最終目標とその構成目標)
・関わる全ての人のQOLを高める。
・問題行動を予防し適切な望ましい行動を増やす。
・学校を安全・安心だと感じる場所にする。
実施学年
就学前〜高校生まで
実施時間数
学校での教育活動の常態の実践として導入する。
実施の対象時間
委員会活動,通常の授業,給食や掃除などの授業以外の場面含む全てが対象
教育方法の特徴
・SWPBSは内容が決まったプログラムではなく,適切な望ましい行動を増やしていくための仕組みを学校の中に作り上げていく枠組み(フレーム)を提供するもの
・どのような目標を設定するか,どのような具体的な行動を取り扱うかは学校が決定する。
・実践の進め方の手順は決まっているが,実践の中身についてもどのような取り組みにするかはそれぞれの学校の実態や地域性,価値観をもとに決めていくので多様である。
効果評価方法
・扱うデータは成果データと実行度データの大きくは2種類である。
・成果データは問題行動(生徒指導件数など)と適切な行動(実践で取り組んだ具体的な行動のデータ)についての記録を用いる他,学校として達成したい成果(例えば,不登校の減少や学校に対する満足感など)に関わるデータを指標とする。学校により扱う行動や成果が異なるため,どのような指標を用いるかは学校ごとに決定する。
・実行度データは「日本語版学校規模ポジティブ行動支援Tiered Fidelity Inventory (日本語版TFI)」(日本ポジティブ行動支援ネットワーク, 2023)で測定することができる。
情報の参照場所
教育の理論
<論文> 行動分析学研究 特集号「学校場面におけるPBSの最前線」2020年, 34巻, 2号 リンクへ
教育方法
<書籍> 学校全体で取り組むポジティブ行動支援スタートガイド 若林上総・半田健・田中善大・庭山和貴・大対香奈子 編著 ジアース教育新社 2023年刊行
教育効果
<論文> 大久保賢一・月本彈・大対香奈子・田中善大・野田航・庭山和貴 (2020). 公立小学校における学校規模ポジティブ行動支援(SWPBS)第1層支援の効果と社会的妥当性の検討 行動分析学研究, 34, 244-257. リンクへ
松山康成・三田地真実 (2020). 高等学校における学校規模ポジティブ行動支援(SWPBS)第 1 層支援の実践 -Good Behavior Ticket (GBT)と Positive Peer Reporting (PPR)の付加効果― 行動分析学研究, 34, 258-273. リンクへ
大対香奈子・田中善大・庭山和貴・松山康成 (2022). 小学校における学校規模ポジティブ行動支援の第1層支援が児童および教師に及ぼす効果 LD研究, 31, 310-322. リンクへ
谷川雄一・庭山和貴 (2023). 学校規模ポジティブ行動支援 (SWPBS) が公立中学校における問題行動発生率に及ぼす効果: 4 年間にわたる実行度の変化と問題行動発生率の推移 行動分析学研究, 37, 205-215.
その他,ご紹介したいこと
・徳島県,宮崎県,岐阜県山県市では教育振興計画に学校でのPBSの実践が明記され取り組まれている。
・現在最も長期間にわたって取り組んでいる学校で7年以上継続している事例もあり,その学校の文化もしくは標準的な実践として根付くものとなっている。
・SWPBSの実践を経験した先生が新しく異動した先の学校でもSWPBSを実践するという形で草の根的な広がりも見られる。現場の先生が効果を感じるからこその広がり方である。
問い合わせ先
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情報提供: 近畿大学 大対香奈子